「うんちがスッキリ出ない」ことが便秘です。下記の症状にあてはまることがあれば便秘かもしれません。便秘も立派な病気なので、以下のような症状が続く時は、かかりつけ医にご相談ください。

• 5日以上うんちが出ない、うんちの回数が週に3回より少ない
• うんちが長時間出ない、いきむことが多い
• うんちをする時に痛がる、出血する
• お腹を痛がる、食欲がない
• いつの間にかパンツが汚れている
• うんちをするのを嫌がる、我慢する
• 毎日出ているがコロコロした硬い便になっている
• おならの回数が多い、においが強い
• おしっこを漏らすことがある

うんちを我慢したりして、うんちが腸にたまっている状態が続くと、腸のセンサーが鈍ってしまいます。すると、うんちが来たことが脳に伝わらなくなってしまいます。=“便意”を感じなくなってしまいます。そうすると、うんちがたまり便秘となってしまいます。それが続いて、うんちをする時に痛い思いをするとうんちをするのを嫌がり、さらにうんちがたまり、硬く大きくなってしまいます。

「食べる」こと、「眠る」ことと同じくらい「排便」することは大切です。便秘を放置すると「悪循環」を繰り返し、どんどん便秘が悪化します。口臭や嘔吐の原因になることもあります。

• 離乳食が始まった時期
  消化管の未熟性に加え、ミルクや母乳以外の食事を食べ始めることでうんちが固まりやすくなります。
• トイレトレーニングの時期
  排泄を我慢することを覚えてしまい、便秘につながることがあります。また、大人用のトイレでは足が着かず、踏ん張りにくいことも原因の1つです。
  ※トイレトレーニングのポイントも参考にしてみてください。
• 幼稚園・保育園や学校へ通いだした時期
  幼児期に便が硬くて痛い思いをすると、うんちをするのが怖くなり、我慢してしまうようになります。また、学童期では学校でトイレに行くのをためらってしまうことが増えたり、偏った食事、ゆっくりトイレに行く時間がないなどの生活習慣の乱れも関わってきます。

理想のうんちは、「4」のいわゆるバナナうんちです。ただし、薬による治療中は「5」ぐらいのやわらかいうんちにするのが目標です。

腸に便がたまると硬くなって小さなコロコロした便が出たり、ゆるいねっちょりした便が少しずつ1日に何回も出たりすることがあります。こんな時は要注意です。

お子さまのうんちがどんな形か、毎日スッキリ出ているかなど、排便の状況を知っていますか？成長するにつれ、子どもが自分でうんちを流してしまうことも多いかと思いますが、お家の方も排便状況の確認を一緒にしてみてくださいね。

まずはバランスの良い食事や適度な運動、トイレを我慢しないなど生活習慣を見直してみましょう。ただし、便秘の期間が長いと、お薬による治療が必要になることがあります。薬による治療では、うんちをふやかすお薬がよく使われます。このお薬は腸に水を集めてうんちをやわらかくし、するりと排泄できるようにします。薬を調整しながら長い目で治療を続けることが大切です。また、硬いうんちがいっぱいたまっているときは、うんちの栓を抜くために、毎日でも浣腸をしてうんちを出すことがあります。

子どもの便秘の治療は、多くの場合半年〜数年かかります。一時的に良くなったように見えても、ぶり返すことがよくあります。お薬の減量や中止は主治医と相談して決め、自己判断でやめないようにしましょう。

うんちタイム（トイレ習慣の改善）
1日1回決まった時間にトイレでふんばってみましょう。はじめはうんちが出なくても決まった時間にうんちのためにトイレに行く習慣をつけることが大切です。子どもの頃から正しい排便習慣を身につけましょう！

うんちの姿勢
足でしっかり踏ん張れるように踏み台を使用することがおすすめです。体が前かがみになることで直腸と肛門がまっすぐになるため、うんちが出しやすくなります。

• トイレに子どもの好きなものを置いてみましょう。
• トイレに補助便座を付けて、しっかりと座る姿勢がとれるようにしましょう。
• 踏み台を置くなどして、足で踏ん張れるようにしましょう。
• うんちがでなくても、毎日座る時間を決めてみましょう。
• うんちが出たらたくさん褒めてあげましょう。うんちが出た日にシールを貼っていってみても良いかもしれませんね。
• うんちが出なくても怒らずに、トイレに座れたことを褒めてあげましょう。

※うんちが出た日に親子でチェックできるように、「うんちチェックシート」を準備しています。ご希望の方はスタッフにお声かけください。

便秘が続くとどうなりますか？

便秘は、不機嫌、腹痛や吐き気、食欲低下、うんちをする時に出血したり、便もれやおねしょの原因になることもあります。便秘の子どもが胃腸炎になると、うんちの塊があるせいで下痢が出にくくなり、嘔吐もしやすくなります。大人の場合、大腸がんの発症率が1.7倍になるとも言われています。

便秘の薬は飲み続けても大丈夫ですか？

一般的に子どもに使用するお薬は、うんちを軟らかくするものなのでクセになりにくいです。ただし子どもによって量が違うので、医師の指示通りに内服するようにしてください。

浣腸ってクセになりませんか？

浣腸はクセになるわけではないので、浣腸でしか便が出せなくなるというような心配は要りません。必要に応じて1日3回浣腸している子もいます。ただし、長期に連用するときは医師の指導を受けてください。

お薬や浣腸を嫌がるのですが、どうしたらいいですか？

うんちをふやかすお薬にもいくつか種類があります。お薬の種類を変更することもできるので、保護者の方の判断でやめてしまわずに相談してください。また、おうちで浣腸するのが難しい場合は、いつでもクリニックへ来てくださいね。

下痢の時は、便秘の薬はやめた方がいいですか？

胃腸炎で下痢をしている時はお薬を飲むのを一旦中止します。しかし、回復期にすぐ便秘に逆戻りしてしまうことが多いので、食欲が戻ってきたらいつもの半分の量からで良いので、お薬を飲むのを再開しましょう。お薬の中止や再開は、医師に相談してくださいね。