熱中症
気温が高くなってきた頃から注意したいのは熱中症です。熱中症は暑さに対する対策が大切ですが、日頃から十分な睡眠やバランスのよい食事を心がけ、体力が落ちないように過ごすことも大切です。
熱中症の症状・度合い
軽症(I度)
熱中症の症状・度合い
対応
- 涼しい場所で休ませる
- 服を緩め、首、脇の下、太ももの付け根を濡れタオルや保冷剤で冷やす
- 水分摂取(経口補水液がおすすめ!)
中等症(II度)
熱中症の症状・度合い
対応
- 水分補給できない、症状の改善がない場合は、病院を受診しましょう
重症(III度)
熱中症の症状・度合い
- 呼びかけへの反応がおかしい
- けいれん
- 異常な高体温
- まっすぐ歩けない
- 汗が出なくなる
対応
重症の可能性がある、ぐったり感が強い場合は救急車を呼びましょう!
熱中症は予防が大事!
適切な服装を選ぶ
風通しの良い、汗を吸収しやすい服を選びましょう。冷却グッズを身に付けていても効果は短時間です。子どもの顔色を確認しながら休息を忘れずに!
こまめな休憩と水分補給
食事からも水分や塩分を摂っているので、三食しっかり食べましょう。遊びに夢中になると水分補給を忘れてしまう事があるので、まわりの大人が休憩と水分補給を促しましょう。
風通しの良い日陰や屋内に入るなど、涼しい場所で休憩するようにしてください。
紫外線を避ける(日焼け予防)
日焼けは軽度のやけどです。低刺激性の子ども用の日焼け止めを使って日焼け予防しましょう。また、紫外線を浴びすぎると身体が疲れやすくなったり、将来の皮膚がんや眼の病気の原因になることが知られています。
骨を作るために必要な栄養素ビタミンDを作るためには、日光に当たることが必要ですが、1日のうちで手の甲ぐらいの面積が15分日光に当たる程度で十分です。
室内の温度を保つ
エアコンや扇風機を使って過ごしやすい温度を保ちましょう。快適に寝るために夜間もエアコンなどを利用してください。外気温より4〜5℃低いくらいが目安です。
バランスの良い食事と十分な睡眠
食欲と睡眠は体調のバロメーター!食欲がない時、睡眠不足の時は体力不足で体調をくずしやすいので気をつけましょう。ぐっすり眠れなかった次の日は外で遊ばずゆっくり過ごすなど、体力が低下しないように過ごす工夫を!
子どもの生活習慣について
生活習慣病とは食事や運動、睡眠などの生活習慣病の乱れによって引き起こされる病気で、「高血圧」「糖尿病」「高脂血症」「脳卒中」「がん」などがあります。この「成人病」と呼ばれていた生活習慣病が、最近は子どもにも増えてきています。幼児〜学童期の子どもが特に注意しなければならないのが肥満です。子どもの体重の目安は、母子手帳の成長曲線でも確認できます。
子どもの生活習慣病が増えた背景には、脂肪分の多い食事や運動不足などの生活習慣生活が大きくかかわっています。また、小児・思春期の肥満は成人に移行する可能性があります。子どもと一緒に過ごせる幼少期こそ、正しい生活習慣を作る絶好のチャンスです。
子どもの生活習慣病を防ぐ食事・運動・睡眠
食事
1歳前後ではまだ満腹感がわかりません。保護者が「お腹がすいたね」「お腹いっぱいになったね」などと声をかけることで次第に空腹、満腹の感覚が育ちます。2歳ごろまでは少々ぽっちゃりしていても問題ありません。食事量を制限しすぎて空腹が満たされる安心感がないと、その後に過食するような行動に発展することもあります。3歳以降は不規則な生活習慣、運動不足、孤食などの環境から肥満につながることがあるため、次のことに注意しましょう。
3食しっかり食べさせる
朝食が欠食傾向にある児童に肥満が多いという報告もあります。
おやつやジュースは時間や量を決める
おやつだけでなく、ジュースにもたくさんの砂糖が含まれていますので、与えすぎないようにしましょう。
おかわりをしない
どうしてもおかわりをしたがる子は、はじめにお皿に盛る量を減らしてみましょう。
おにぎりにしない
おにぎりにすると食べやすく、食べるスピードがはやくなってしまう可能性があります。
料理方法を工夫する
揚げ物を減らす、テフロン加工のフライパンを使うなど、油を控えて料理をする工夫をしましょう。
咀しゃくが必要な食材を取り入れる
あまり噛まなくても食べられる献立は、早食いになりやすく、満腹感を感じる前に食べ終わってしまうので注意が必要です。また、食べるのに手間がかかるおかず(骨付きの魚や肉など)を取り入れることで、時間をかけて食べることができます。
「よく噛むと、もっとおいしくなるよ。」などの声かけもしてみても良いかもしれませんね。
咀しゃくに役立つ食材には下記のようなものがあります。誤嚥に気をつけながら、ゆっくりよく噛んで食べましょう。
- ペラペラしたもの(レタスやワカメ)
- 皮が口に残るもの(豆やトマト)
- 硬くて噛み切りにくいもの(かたまり肉、エビ、イカ)
- 弾力のあるもの(こんにゃく、かまぼこ、キノコ)
- 口の中でまとまらないもの(ブロッコリー、ひき肉)
- 唾液を吸うもの(パン、ゆで卵、サツマイモ)
生活にメリハリを持たせる(TVを見ながらなどのダラダラ食べをなくす)
いつまでも食べるのをやめようとしない子は、食事の後に一緒に片づけをしたり、散歩に行ったり、食べる事だけに集中させない事が大切です。ぐずったときにすぐに食べ物を与えていると、ストレスがあると食べる習慣がつき、肥満につながります。
その他に、こんなことも肥満につながるかも・・・
- 機嫌が悪い時に相手にしないで食べ物を与える
- 食卓にはいつも子どもの好きなものばかりが並ぶ
- 使う食材の幅が狭く献立に変化がない
- 外食・間食が多い
- 味付けが濃い
- 大皿盛りが多い
運動
子どもにとっては遊びも運動の一つです。特に乳幼児の外遊びは、気分転換にもなり、心の健康を保つ効果もあります。運動習慣のない子どもに肥満が多いとの報告もあるため、まずはなるべく外で遊ぶ時間を増やしたり、掃除や洗濯、買い物などのお手伝いを通じて生活の中で体を動かすようにしましょう。また、その子なりに楽しめる運動を見つけて続けられるようにするのも良いでしょう。急に多くの運動を求めてもうまくいかず、長続きもしません。テレビゲームを使った運動や、友達と一緒にできる運動など、楽しく長続きできるものを工夫しましょう。
睡眠
睡眠は心身の発達のために重要です。子どもの睡眠を考える上では、大事なホルモンとして成長ホルモンがあります。この成長ホルモンは夜間の脂肪分解にもかかわっているとされているので、睡眠時間が短くなると肥満に傾く傾向があります。
成長ホルモンの分泌は午後10時から午前2時に最大になると言われています。
お子さまが夜によく眠れるためにご家族で協力しましょう
- 保護者の睡眠習慣にも注意する
日本では家族と同室で寝る子どもが多く、子どもが保護者の睡眠習慣に合わせる形となり、子どもの良好な睡眠の妨げともなりえます。午後10時までに寝られるように気をつけましょう。
- 寝床につく前は明るい光を浴びないように注意する
眠りを助けるメラトニンというホルモンは、光の刺激で分泌が妨げられ、昼の覚醒と夜の睡眠のバランスを損ないます。寝る前の時間帯にはスマートホンやタブレットの画面を見ることを避けるようにしましょう。
- 必要以上に長い午睡には注意する
午睡は年齢と共にその必要度が低下します。身体が必要とする以上の午睡の摂りすぎは、夜の睡眠を妨げることもあるので、少しずつ減らしてみましょう。
- 年齢に応じた声かけをする
「ゆっくり休んで、明日またいっぱい遊ぼうね。」など、休息することの大切さも伝えてみましょう。
親子の生活習慣は関連する!?
3歳ごろの生活習慣はその後も継続しやすいため、幼少時期から好ましい生活習慣を形成することが健康増進にとってとても重要です。また、子どもの生活習慣の形成にとって両親の役割は大きいと考えられます。夜食の摂取頻度、テレビの視聴時間、起床時刻は両親の生活と子どもの生活に関連があるとの報告があります。そのため、子どもの望ましい生活の確立には両親の協力が必要です。
排便習慣も大切です
便秘になりやすいタイミングには、下記の3つがあります。
- 離乳食が始まった時期
- トイレットトレーニングの時期
- 幼稚園・保育園や小学校へ通い出した時期
まずは毎日子どものうんちを見てみましょう。うんちは毎日出ていますか?コロコロのうんちにはなっていませんか?便秘を予防して、小学校入学までに排便習慣を獲得できるようにしましょう。