よくある感染症
感染症とはウイルスや細菌などの病原体が体内に侵入して増殖し、発熱や下痢、咳などの症状が出ることをいいます。

細菌感染とウイルス感染の違い

細菌とウイルスはどう違うのかと思われませんか?同じ感染症でも、それが細菌によるものなのか、ウイルスによるものなのかで治療も異なります。また、細菌とウイルスでは増殖のプロセスもまったく違うため、対策方法も変わります。
細菌は、「水分」「温度」「栄養分」がそろった環境にあれば自分だけで増えていくことができます。
「水分」:細胞の80~85%は水分でできています!
「温度」:人の体温くらいで増殖スピードがUP!
「栄養分」:とくにたんぱく質が大好き(生魚や生肉など)
ということは、細菌は乾燥・低温高温に弱く、栄養分が足りないと増えずに弱るのです。
一方、ウイルスは生物の細胞に入り込んだあとに増えていきます。つまり、少しのウイルスでも体内に入ってしまうと、その後増えてしまい発症してしまうということになります。ウイルスは数時間程度であればテーブルやドアノブ、床など生き延びています。触れた手でうっかり鼻をいじっていたら侵入することもあります。ウイルス感染症は、体に侵入するウイルスの数や免疫力のバランスによって、感染および発症するかが決まってきます。
細菌とウイルスでは効くお薬が違う
細菌の感染症には、抗生剤が効きます。抗生剤を処方されたら、最後まで飲み切ることが大切です。
ウイルス感染症には、抗生剤の効果はありません。インフルエンザなど、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス剤が効く疾患もあります。

主な感染経路

飛沫感染

ウイルスや細菌が咳やくしゃみにより、細かい唾液や気道分泌物につつまれて空気中に飛び出し約1m範囲で人に感染させます。(ほとんどの風邪ウイルス、百日咳、風疹、インフルエンザ、RSウイルス、おたふくかぜなど)

接触感染

皮膚や粘膜の直接的な接触、または病原体がついたおもちゃ、手すり、タオルなどに間接的に接触して感染します。(アデノウイルス、黄色ブドウ球菌、腸管出血性大腸菌など)

経口感染

ウイルスや細菌に汚染された食べ物を生または十分に加熱しないで食べた場合や、感染した人が調理中に手指を介して食品や水を汚染し、その汚染食品を食べたり飲んだりした場合に感染します。(感染症胃腸炎(ノロウイルス、ロタウイルス)、カンピロバクター腸炎、サルモネラ食中毒など)

空気感染

ウイルスや細菌が空気中に飛び出し、1m以上超えてそれを吸い込んだ人が感染する。(水痘、結核、麻疹のみ)

受診の目安は?検査は必要?

発熱や咳・鼻水、下痢などの症状のせいで「食べる・寝る・遊ぶ」が妨げられ、日常生活に影響している時は受診をおすすめします。子どもの様子がおかしい・心配だと感じたら、ためらわず受診してください。
検査をしなくても症状に合わせて必要なお薬が処方されます。どんな病気だったとしても、自分の体の力が病気を治すまである程度時間がかかります。お薬を飲んでも、体が休息できないと病気は治りません。症状が治まるまでは安静9割、薬1割ぐらいの感覚で安静を保つことが重要です。

迅速検査ができる気道感染症

症状や経過を見ながら検査を実施します。
  • インフルエンザ
  • アデノウイルス
  • 新型コロナウイルス
  • RSウイルス
  • ヒトメタニューモウイルス
  • 溶連菌
  • マイコプラズマ

RSウイルス

RSウイルスは、2歳までに95%が感染する感染症で、2歳以下の子どもは、気管支炎や肺炎に進展してしまう場合があります。

症状

初期症状は、発熱、鼻水、咳といった風邪症状から始まります。乳児の場合は、発熱がない場合もあります。初感染の乳児の3割程度は感染が下気道まで広がり咳がひどくなるほか、ゼーゼー、ヒューヒュー(吸気時の喘鳴)や呼吸回数が多くなるなど、呼吸困難の症状がみられることがあります。RSウイルスは生涯を通して、再感染を繰り返します。通常健康な成人は軽症で済みます。

潜伏期間

4~6日です。

検査

2024年1月より妊婦へのRSウイルス感染症のワクチンが承認されました。
1歳までのお子さまの抗原検査は保険適応です。

治療

症状を和らげる対症療法となります。特効薬はありません。解熱剤や去痰薬・気管支拡張薬などで症状を緩和させながら自力で治します。体力を落とさないように食事・睡眠がとれるように過ごしましょう。呼吸回数が多い、息が苦しそう、水分や食事がとれないといった症状がある時は早めに受診しましょう。

手足口病・ヘルパンギーナ

夏から秋にかけてかかりやすい病気に「手足口病」「へルパンギーナ」があります。これらは夏風邪の一種です。エンテロウイルスやコクサッキーウイルスなど複数のウイルスが原因のため、何度も感染することがあります。5歳以下の子どもがかかりやすく、まれに大人も感染することがあります。

症状

手足口病

  • 発熱することがある。
  • 手のひら、足の甲や裏に水ぶくれのような発疹ができる。発疹は肘や膝、おしりにもみられることがある。
    ※1週間ほどで消失し、かさぶたにはなりません。
  • 舌や口の中に口内炎ができる。
  • 発症の数週間後に手足の皮がめくれたり爪が剥がれることもある。
    ※大事には至らず、すぐに新しい爪が生えてきます。
  • 潜伏期間:3~5日

ヘルパンギーナ

  • 38~40℃以上の突然の発熱。発熱は1~3日続く。
  • のどの痛みがあり、口の奥に口内炎ができる。
  • 突然39度以上の高熱を出し、熱性けいれんを起こすこともある。
  • 潜伏期間:2~4日

治療

手足口病やヘルパンギーナに対する特効薬はありません。安静と栄養補給に努め、回復を待ちましょう。症状に応じて、解熱鎮痛剤や症状を緩和させる薬を使いましょう。

手足口病・ヘルパンギーナに感染した時の食事は?

いつもどおりの食欲であれば特別なことをする必要はありませんが、口の中の痛みにより食欲が落ちることがあります。熱いもの、辛いもの、酸っぱいものなど刺激のあるものは避け、薄味で喉ごしの良いものがオススメです。また、細かく切られていて、やわらかいものが食べやすいでしょう。
下記のような噛まずに飲み込める食べ物がおすすめです。
  • 冷ましたおかゆやおじや
  • 豆腐
  • 茶わん蒸し
  • うどん
  • 冷ましたスープ
  • ゼリー
  • プリン
  • ヨーグルトなど
※口の中の痛みが強い時は、解熱鎮痛剤を使うと痛みをやわらげる効果が期待できます。

手足口病・ヘルパンギーナに関するよくある質問

手足口病やヘルパンギーナは人にもうつりますか?
咳・くしゃみ、便や唾液の中に出てきたウイルスが口や鼻、目などに入って感染します。手洗いをしっかり行い、食器やタオルは共有しないようにしましょう。
※ウイルスの便への排出は、回復後も2~4週間続くと言われています。オムツ交換の後はしっかり手を洗うようにしましょう。
登園・登校の目安はありますか?
保育所における感染症対策ガイドラインには、登園の目安は「発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること」と記載されています。つまり、熱が下がって1日以上経過していて、口の中の痛みがなくなってご飯をしっかり食べることができていれば登園可能です。
※発疹が出ていても、熱がなく普段通りの生活ができていれば登園可能です。
どんなときに再受診する必要がありますか?
下記のような症状がある場合は再受診を検討してください。
  • 発熱が長く続く
  • 繰り返し嘔吐する
  • 2日以上頭痛が続く
  • ぐったりしている、呼びかけに反応しない
  • 水分がとれずおしっこが出ない
いつもと様子が違うと感じて心配な場合は、いつでも受診してくださいね。

アデノウイルス

アデノウイルスは60種類以上の型に分類されており、それぞれの型によって症状は様々ですが、高熱が長く続くことが多いです。プール熱(咽頭結膜熱)や、はやり目(流行性角結膜炎)もアデノウイルスが原因です。

症状

のどが腫れて、高熱が4~7日ほど続きます。お熱の途中で、目の充血・めやに、下痢、咳・鼻水といった症状が出てくることがあります。下痢などの胃腸炎の症状が起こる場合もあります。

潜伏期間

潜伏期間は2~14日です。
ウイルスの型によって潜伏期間が多少異なります。咽頭からは1〜2週間、はやり目は7日以上となります。
症状が治っても、便中からウイルスが3〜5週間排泄されています。

検査

喉を綿棒でこする迅速検査で診断します。
発熱後24時間以上経過していないと偽陰性となりやすいです。発熱4日目、5日目に、確定診断のために検査を行うことが多いです。
結膜炎症状が出ている時は目やにで検査が可能です。発熱していなくても陽性になることもあります。

治療

アデノウイルスに対する特効薬はありません。安静と栄養補給に努め、体の免疫がウイルスに勝つまで待ちましょう。必要に応じて、解熱鎮痛剤や症状を緩和させる薬を使いましょう。結膜炎には点眼薬、下痢症状には整腸剤など、症状に合わせて処方することがあります。

アデノウイルスに感染した時の食事は?

高熱やのどの痛み、胃腸炎症状などで食欲がなくなる人が多いです。食事が出来ない時は経口補水液を飲用するなど、脱水にならないように水分補給してください。また、のどに刺激になる食べ物(辛いもの、酸っぱいもの、熱いもの、硬いものなど)は避け、のどごしの良い食べ物(プリン・ゼリー、冷ましたお粥やうどんの様な柔らかいもの)を選びましょう。
胃腸炎症状が強い時は、消化に良い食べ物を選んでください(生もの、乳脂肪分の多いもの、冷たすぎるものは避けましょう)。
消化の良いもの 消化の悪いもの
穀類 お粥・よく煮たうどん 寿司・そば・ラーメン
芋・豆 ジャガイモ・長いも・豆腐・きな粉 サツマイモ・こんにゃく・納豆・おから・油揚げ
卵類 半熟卵・卵豆腐 固ゆで卵・生卵・すじこ
魚介類 たい・かれい・あじ いわしまぐろ・さば・イカ・タコ・貝類
肉類 鶏ささみ・脂の少ないヒレ肉 脂の多い豚肉・ハム・ベーコン・ソーセージ
野菜類 人参・大根・ホウレン草・キャベツ たけのこ・ごぼう・れんこん・にら・セロリ
果物 バナナ・リンゴ・果物の缶詰 みかん・梨・イチゴ・キウイ・スイカ・レーズン
飲み物 経口補水液・麦茶・イオン飲料 炭酸飲料
菓子類 ゼリー・ボーロ ケーキ・ドーナツ

アデノウイルスに関するよくある質問

アデノウイルスは人にもうつりますか?
アデノウイルスは感染力が強い病気です。アルコール消毒に対して耐性があるため、消毒をする際は次亜塩素酸ナトリウムを含む消毒剤を使いましょう。感染者の飛沫(咳やくしゃみのしぶき)や便の中に含まれたウイルスが口や鼻の中、目の中に入って感染します。オムツ交換後は丁寧に手洗いしたり、感染者が触れたものを共有しないようにしましょう。特に家庭内では食器やタオル、おもちゃなどを共有しないようにし、たくさんの人が触れるもの(ドアノブなど)はこまめに消毒しましょう。アデノウイルスはアルコール消毒に対して耐性があるため、消毒をする際は次亜塩素酸ナトリウムを含む消毒剤を使いましょう。
登園・登校の目安はありますか?
プール熱(咽頭結膜熱)では「発熱、充血等の主な症状が消失した後2日(48時間)を経過していること」です。
はやり目(流行性角結膜炎)は医師が感染の恐れがないと認めるまで登園・登校できません。
※学校感染症に指定されています。アデノウイルス感染症と分かったら、園や学校に連絡しましょう。
どんなときに再受診する必要がありますか?
下記のような症状がある場合は再受診を検討してください。
  • 最初の受診時になかった症状が新たに出てきた
  • 発熱が治まる様子がない(5日以上続く)
  • 食事や水分が摂取できずに脱水が心配
  • 機嫌が悪く、ぐったりしている
  • 血便や血尿がある
上記のような症状がなくても、子どもの様子がいつもと違って心配な場合は、いつでも再受診してください。

インフルエンザ

インフルエンザウイルスの感染によっておこる病気で、一般的には冬に流行します。ひと冬に何度もかかることもあります。
小児・未成年のお子さまではインフルエンザにかかることで、急に走り出す・部屋から飛び出そうとする・うろうろ歩き回るなどの異常行動をおこすことがあります。インフルエンザと診断されてから少なくとも2日間はお子さまが一人にならないような配慮が必要です。

症状

38度以上の発熱、関節痛、体のだるさなどに加え、風邪の様なのどの痛み、咳・鼻水といった症状がみられます。

潜伏期間

潜伏期間1~3日程度です。
発症の前後が一番ウイルスの排泄量が多く、感染してしまう可能性が高いため、発熱時に近くにいた人や同居の家族などは、感染している可能性を考えて行動しましょう。

検査

綿棒で鼻の粘膜から分泌物を採取して迅速検査を行います。ただし、熱が出てからすぐに検査しても反応がでないことが多くあります。当院では「38度以上の発熱から12時間以上経過」している患者さんを検査対象としています。

治療

発熱や風邪症状に対しては、解熱剤や去痰薬などの症状を緩和させる薬が処方されます。
また、タミフル、リレンザ、イナビル、ゾフルーザなどの特効薬があります。発症後48時間以内に使用すると、ウイルスの増殖を抑えて、症状を軽減したり、体外に排出されるウイルス量を減らすなどの効果があります。しかし、薬を飲まなければ治らないということはありません。処方に関しては主治医とご相談ください。
※抗インフルエンザウイルス薬を服用しても、脳炎や脳症といった重篤な合併症を予防するという明確な報告はありません。脳炎や脳症を予防するためには、ワクチン接種が有効です。

出席停止期間について

インフルエンザは、学校保健安全法により出席停止期間が決まっています。
未就学児:発症日を0日として、そこから5日以上経過し、かつ3日(72時間)以上解熱していないと登園できません。
就学児:発症日を0日として、そこ5日以上経過し、かつ2日(48時間)以上解熱していないと登校できません。
出席停止期間内は周りの人にインフルエンザをうつす可能性があるため、お友達と遊んだり外出したりすることは控えましょう。

インフルエンザを予防しましょう

インフルエンザ流行前の12月中旬までにワクチン接種を2回終えることが望ましいと考えられます。ワクチンを接種すればインフルエンザに絶対かからないというものではありません。しかし、インフルエンザの発症を予防することや、発症後の重症化を予防することに関しては一定の効果があるとされています。接種後から2~3週間後に効果が出てきて3~5ヶ月程度効果があるとされています。
※当院では1歳未満のワクチン接種は積極的に推奨していません。
乳幼児をインフルエンザウイルスの感染から守るためには、ワクチン接種に加え、家族や周囲の大人たちが手洗いや咳エチケットを徹底することや、流行期間は人が多く集まる場所に行かないようにすることなどで、乳幼児がインフルエンザウイルスへ暴露される機会を減らす工夫も大切です。

このような症状が出たらすぐに受診してください

症状が重くつらそうにしているなど、心配な場合はご相談ください。また、神経症状が出ているときは、脳症・脳炎を疑ってすぐに受診してください。
  • 手足を突っ張る、がくがくする、眼が上を向くなどのけいれん症状がある
  • ぼんやりしていて視線が合わない、呼びかけに答えない、眠ってばかりいるなどの意識障害の症状がある
  • 意味不明なことをいう、走り回るなどいつもと違う言動がある
  • 顔色が悪い、唇が紫色をしている(チアノーゼ)
  • 時計の秒針より速く呼吸をしていて息苦しそう
  • ぜーぜーと肩で呼吸をする、全身の力で息をしている
  • 「胸が痛い」「呼吸が苦しい」と訴える
  • 水分がとれずに半日以上尿がでていない
  • 頻繁に下痢やおう吐が見られる

新型コロナウイルス

新型コロナウイルス感染症は、ただの風邪症状から発熱がある人まで、人によって症状に差が出ています。中には無症状の人もいます。検査で陽性が出た場合は、出席停止期間は、「発症した後5日を経過し、かつ、症状が軽快した後1日を経過するまで」となっています。また、マスク着用可能な人は発症後10日を過ぎるまではマスクを着用するよう推奨されています。
現在では濃厚接触者は特定されません。周囲の方は感染症対策をしながら、普段の生活を送ることができます。

症状

症状は発熱、咳、鼻水、下痢など。ほとんどが1〜2週間で改善し、子どもが重症化したという報告は少ないです。(脳炎・脳症が起こったという報告はあります)

検査

鼻の粘膜から分泌物を採取して迅速検査を行います。インフルエンザと同時検査も可能です。

普段の生活に戻るポイント

すべてにチェックが付けられて24時間以上すぎてから普段の生活に戻りましょう!
  • 24時間以上解熱している
  • 食欲がいつもの8割以上ある
  • 咳などで寝苦しくなく、睡眠が十分にとれている
  • 活気があり元気そうにしている

溶連菌感染症

A群β溶血性レンサ球菌による感染症です。飛沫感染や接触感染で感染します。予防接種ワクチンはありません。

症状

主な症状は発熱とのどの痛みです。咳や鼻水などの症状は目立ちません。身体や手足に発疹が出たり、舌にイチゴのようなツブツブができたり、首すじのリンパ節の腫れを認めることもあります。また、頭痛、腹痛、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。症状が回復する時期に落屑(らくせつ)と言って指の皮がむけてくることもあります。3歳未満ではあまり熱が出ません。

潜伏期間

潜伏期間はだいたい2~5日と言われています。

検査

綿棒で喉から採取した分泌物で、迅速抗原検査を行います。

治療

溶連菌を退治するための抗生剤が処方されます。抗生剤を内服することで熱が下がり、のどの痛みも和らいでくることが多いです。抗生剤は5日~10日分処方されます。症状がなくなったからといって抗生剤の内服を途中でやめてしまうと症状が再燃したり、合併症を起こす懸念があります。お薬は必ず最後まで飲み切りましょう。
腎炎を起こしていないか確認するために2~3週間後に検尿を行います。また、菌とウイルスは同時感染することがあり、抗生剤を服用しても解熱しない場合ウイルス感染を疑います。

溶連菌に感染した時の食事は?

いつもどおりの食欲であれば特別なことをする必要はありませんが、のどの痛みにより食欲が落ちることがあります。熱いもの、辛いもの、酸っぱいものなどは喉を刺激して痛みが強くなることがあるので避けた方が無難です。
冷たくてのどごしの良いものが食べやすくおすすめです。

溶連菌に関するよくある質問

溶連菌は人にもうつりますか?
咳やくしゃみに含まれるしぶきを吸い込むことで近くの人に感染することがあります。一緒に過ごす家族への感染に注意する必要があるので、こまめに手洗い・手指消毒を行い、コップや食器、タオルなどを共有しないようにしましょう。
登園・登校の目安はありますか?
内服して丸1日(24時間)以上熱が下がっていれば登校・登園は可能です。
くう・ねる・あそぶが十分でないときは、無理せず身体を休ませてあげてください。
熱が下がらなかったらどうしたら良いですか?
抗生剤を内服して丸2日(48時間)経過しても熱が下がらない、のどの痛みで食事や水分が摂れないという場合には、必ず再受診してください。
1回溶連菌感染症になったら、もうかかりませんか?
溶連菌感染症は、何回でも繰り返して発症することがあります。
お風呂に入っても大丈夫ですか?
お風呂には入れてあげて大丈夫です。ただし、かゆみのある発疹が出ているときは、かゆみが増すことがあるのでぬるめのお湯でのシャワー浴をおすすめします。
どんな合併症があるんですか?
リウマチ熱や急性糸球体腎炎といった合併症につながることがあります。まぶたのむくみ、靴下の痕が消えない、褐色の尿が出るという場合には一度受診してください。
※腎炎合併の有無を調べるために、2~3週間後に尿検査を行います。

りんご病(伝染性紅斑)

ヒトパルボウイルスB19というウイルスによる感染症です。りんごのような真っ赤な発疹ができ、ほてりやかゆみを感じることもあります。合併症がなければ1〜2週間で自然に治癒します。
りんご病(伝染性紅斑)

症状

無症状な場合が多いため、知らず知らずのうちに周りの人に感染させてしまうことがあり、予防が困難です。発疹が出る1週間ほど前に微熱や風邪症状、関節痛などがみられることがあります。
※発疹が出た後は、感染力はありません。

潜伏期間

2〜3週間(4〜5年に1度流行する傾向にあります)

治療

特別な治療はなく自然に治りますが、かゆみが強い時は内服薬が処方されることもあります。
まれに関節炎や関節痛、血小板減少症など合併することがあります。

おうちでのポイント

入浴や運動、日光に長く当たることで、赤みが強くなって長引いたりぶり返したりすることがあります。病気そのものが悪化したわけではないので心配はありません。
抗体のない妊婦が感染した場合、胎児に異常をきたしたり、流産の恐れがあるため注意が必要です。

集団生活で気をつけたいこと

登園のめやすは「全身状態がよいこと」です。発疹が出る前の時期に感染力があり、発疹が出た時点では感染力はほぼ消失しています。

水ぼうそう

水痘・帯状疱疹ウイルスが原因でかゆみを伴う水疱(水ぶくれ)が全身にできる病気です。初めて感染して症状が出たら『水ぼうそう』、一度感染してあとから再び症状が出ると『帯状疱疹』になります。空気感染するため、予防方法はワクチンのみです。
水ぼうそう

症状

発疹が顔や頭皮、おなかなどに現れ、急激に増えます。発疹は紅斑から始まり、水疱となり、最後はかさぶたとなります。紅斑・水疱・かさぶたが混在しているのが特徴です。熱が出る場合もあります。潜伏期間はおよそ2週間です。

治療

抗ウイルス剤が処方されます。かゆみが強い時は軟膏が処方されることもあります。

予防

水ぼうそうはにはワクチン(水痘ワクチン)があり、1歳〜3歳の間に2回定期接種として公費で受けることができます。重症化予防になるので、ワクチンスケジュールを確認して打ち忘れのないように注意しましょう。ワクチンを打つことで症状が軽くすむことがほとんどです。

おうちでのポイント

発疹を掻き壊さないよう爪は短く切っておきましょう。口の中に水泡ができて痛い場合は、熱いもの、酸味や塩味のあるものは避け、やわらかくて飲み込みやすいものを与えるようにしてください。熱いお湯はかゆみが増すのでぬるま湯かシャワー程度にしましょう。

集団生活で気をつけたいこと

登園のめやすは「すべての発疹が痂疲(かさぶた)化していること」です(学校感染症のため、多くは医師の診断が必要です)。

感染症の予防について

感染症は細菌やウイルスが感染経路をたどり、体内に侵入しそれが発症することで成立するので、それを成立させないことが予防策となります。くしゃみや咳、鼻水の中や、唾液や便、嘔吐物の中にウイルスが入っていて、まわりに飛ばしたり他の人が触れてしまうことによって、どんどん感染が広がっていきます。もちろん子どもから大人にうつる可能性もあるので、家庭内でも感染症の予防を心がけましょう。ご自宅でもできる感染症の予防もご紹介します。
感染症の予防について

感染予防の三原則

  • 細菌やウイルスをあびる量を減らす
    ウイルス・細菌は常に降り注いでいます。人混みを避ける、発症者に近づかないなど。
  • 感染経路を絶つ
    手洗い・手指消毒、咳エチケット、換気、清掃、ソーシャルディスタンス
    ※爪を整えたり、手荒れを予防することも大切です。
  • 健康的な生活をする
    体力・免疫力の維持、ワクチン接種、規則正しい生活、適度な運動と休息、バランスの良い食事、十分な睡眠

ご自宅でできる感染症予防

どんな感染症でも、基本的な対策は同じです。基本的な感染症予防についておさらいしましょう!

手洗い

20秒〜30秒を目安に手洗いしましょう。石けんをしっかり泡立てることが大切なので、ポンプ式の石けんが理想です。また、洗ったあとはしっかり乾燥させることも大切です(ペーパータオルか個人用のタオルを使用しましょう)。外出後や食事前、トイレに行った後、オムツ交換後などは特に丁寧に手洗いしましょう。
  • 手洗い
    1.手のひらで石鹸を泡だてて手のひら・甲をしっかり洗う
  • 手洗い
    2.手の甲をもう片方の手のひらで洗う
  • 手洗い
    3.指の間もしっかり洗う
  • 手洗い
    4.指先やつめの間も洗う
  • 手洗い
    5.親指を手のひらでねじるように洗う
  • 手洗い
    6.手首も忘れずにしっかり洗う
  • 手洗い
    7.流水でよくすすぐ
手が荒れると手洗いの頻度が下がるという報告があります。手を洗った後はできる範囲で保湿剤を塗るなどの対策をすることも大切です。

咳エチケット

咳やくしゃみを他人に向けて発しないように心がけることをいいます。咳やくしゃみがでるときはできるだけマスクを着用することで、周囲への拡散を抑えることができます。とっさの際にマスクがない時はティッシュや服の袖などで口と鼻を覆い、顔を他の人に向けないようにします。手に咳やくしゃみのしぶきがかかってしまった時は、鼻や口に触れる前に手洗いしましょう。
また、マスクを着けることで鼻や口を触りにくくしたり、気道を加湿するというような利点があります。マスクを正しくつけることができているか、子どものつけ方をチェックしてみてください。
咳やくしゃみのしぶき(飛沫)は1〜2mほど飛ぶといわれています。マスク着用が難しい場合、1〜2mの距離(ソーシャルディスタンス)を保つことで感染予防に繋がります。

消毒

ウイルスは物についてもしばらく生存しています。特にお家の中では食器やタオル、おもちゃなどを共有しないようにし、たくさんの人が触れるもの(ドアノブやスイッチなど)はこまめに消毒しましょう。アルコールや次亜塩素酸ナトリウム(※)が有効です。家庭用の掃除用洗剤でもウイルス量を減らすことができます。
また、オムツ交換した後や、鼻水をティッシュでふいた後も、石けんでの手洗いを忘れないように注意しましょう。
※ドアノブ、便座、衣類等を消毒する場合は、約0.05%濃度の希釈液を使用します。5%の塩素系漂白剤を使用する場合、水500mlに対して塩素系漂白剤5mlの塩素系漂白剤を入れます。

規則正しい生活習慣

バランスの良い食事をとりましょう。また、十分睡眠をとり規則正しい生活を心がけましょう。どんな感染症でも、基本的な対策は同じです。体力をつけて、感染症にかからないようにするのが一番です。