皮ふの症状
子どもの皮ふは大人に比べてデリケートです。普段からご家庭でも肌の手入れをして、健康な皮ふを保つようにしましょう。気になる症状がある場合は些細なことでもご相談ください。
皮ふの症状

スキンケアの大切さについて

スキンケアには大きく分けて保湿・清潔・紫外線防御の3つがあります。皮ふを健やかに保つためには毎日のスキンケアが大切です。スキンケアをすることで、アレルギーを引き起こす原因物質が、皮ふから侵入することを防ぎます。皮ふには角層のバリア機能があり、細菌やダニ、食物(アレルゲン)が体の中に入らないようにし、乾燥を防いでいます。皮ふが乾燥した状態になると、角層がはがれてきてすき間ができ、外からの刺激を受けやすくなります。
アレルギー(アトピー性皮ふ炎や喘息、食物アレルギーなど)の発症予防には、乳幼児期から皮ふを健康に保つことが大切です。そのためには、スキンケアが重要になります。
国立成育医療研究センターが2014年に発表した臨床研究によると、新生児期からの保湿剤塗布によりアトピー性皮ふ炎の発症リスクが3割以上低下することがわかっています。
スキンケアの大切さについて

湿疹がひどいのですが、これってアトピーですか?

湿疹の悪循環が起こっている可能性があります。この悪循環を断ち切るためには、保湿剤で肌を守るだけでなく、治療薬としてステロイドが必要になることもあります。
【湿疹の悪循環】
乾燥した皮ふに湿疹ができる→かゆくて掻きむしる→湿疹が広がる→かゆみが強くなる→掻く→湿疹が治らない
また、下記の3つが「アトピー性皮ふ炎の診断」に大きく関係します。診断名に注目してしまいがちですが、アトピー性皮ふ炎でもそうでなくても治療方法は変わりません。
  • かゆみがあること
  • 長く続くこと(目安は乳幼児で2か月、それ以上で6か月)
  • 特徴的な湿疹があること(特に左右対称性になることが多い)

健康なお肌のためには保湿が何より大切

「健康な皮ふを保つために肌の手入れをしましょう。健康な皮ふにはバリア機能があります。
しかし、皮ふが乾燥した状態になると、バリア機能が弱り肌荒れの原因になります。
保湿を行うことで、皮ふの水分が逃げないようになり健康な皮ふを守ります。保湿剤によるスキンケアは、季節に関係なく続けることが大切です。特に入浴後には素早く保湿剤を塗ることで、皮ふの乾燥を防ぎ水分を保ちやすくなります。季節に合わせた保湿剤を使ってスキンケアを行いましょう。かぶれや湿疹が出来てしまった部位にはステロイド剤などを使用して治療を行いましょう。前述した湿疹の悪循環にならないように医師の指示のもと適切な薬剤を使用して、かぶれやかゆみが広がらないようにしましょう。また、指示通り適切な量を塗るようにしましょう。掻きむしりがひどい場合は、爪を短く切ったり、皮ふが温まりすぎないように配慮するなど悪化を防ぐ工夫を行いましょう。

心がけたいいつでもできるおうちケア

  • 汗をかいたらすぐに拭こう・・・シャワーで流すのもgood!
  • よだれはこまめに拭こう・・・ワセリンで保護するのもgood!
  • 爪は短く切ろう・・・切りっぱなしの爪は鋭利なので、やすりなどで整えてあげましょう。
  • 髪の毛はまとめるか短く切ろう

夏のスキンケアについて

日焼け止めはどのようなものを使えば良いですか?

SPF15以上であれば学校生活における紫外線対策としては十分とされています。肌荒れのある子どもには、ノンケミカル(化学薬品を減らした製品)の日焼け止めがオススメです。また、パッチテストをしてから使用すると良いでしょう。
成長に欠かせないビタミンDを合成するために紫外線は有効ですが、夏場なら日光を手足に10分ぐらい浴びれば十分です。

虫よけはどのようなものを使えば良いですか?

安全と思われやすい植物(ハーブ)由来の虫よけの有効性は低く、20分程度しか持続しないとの報告もあります。虫よけの有効成分では、ディートとイカリジンがあります。刺激が少なく、年齢制限なく使っていただけるのはイカリジンの虫よけです。
日焼け止めと虫よけを同時に使用する場合は、日焼け止め→虫よけの順にしましょう。

プールに入っても大丈夫ですか?

皮ふの状態が悪化している時に塩素を使用しているプールに入ると、より症状が悪くなることがあります。プールの後はシャワーでよく流し、保湿剤を塗って皮ふを保護しましょう。

冬のスキンケアについて

保湿入浴剤を使えば、保湿剤は使わなくても大丈夫ですか?

保湿入浴剤は入浴後流れてしまうので、十分な効果は出ないと考えられています。そのため、お風呂あがりには保湿剤を使用する方が好ましいでしょう。また、熱すぎるお湯はかゆみを悪化させやすいので、38~40℃にし、あまり長湯をしすぎないように気を付けましょう。

肌を乾燥させないように、部屋を加湿しておいた方が良いですか?

部屋の加湿に関して、明らかな研究結果はありません。加湿器にこだわりすぎず、保湿剤で直接皮ふの保湿をした方が有効であると考えられます。

あせも

汗が刺激となって湿疹ができた状態。痒みを伴うことも多く、掻きむしると広がっていくため注意が必要です。たくさん汗をかく夏場はもちろん、服を着込む冬にもできることがよくあります。人にうつることはありません。
あせも

症状

首や脇の下、肘や膝の裏、背中、おむつが当たる下腹部など、汗をかきやすかったりくびれたりしている部分に発疹ができます。

治療

湿疹の塗り薬(ステロイド薬)で治療することができます。悪化する前に医師に相談しましょう。もともと肌のバリア機能が破綻していると湿疹ができやすいので、日々の保湿などスキンケアも大切です。

おうちでのポイント

汗をかいていたらこまめに着替えさせたり、シャワーで汗を流すようにしましょう。通気性のよい服を選択し、たくさん汗をかいたときは着替えましょう。掻きむしって傷ができないように、爪切りも忘れずに。最近では部屋の暖めすぎによる冬のあせもも増えています。暖房の効きすぎにも注意しましょう。

じんましん

じんましんに加え嘔吐や呼吸状態の異常などが同時にみられる場合は、アナフィラキシーの可能性があるのですぐに病院を受診しましょう。人にうつることはありません。
じんましん

症状

突然かゆみのある発疹が体のあちこちにできます。発疹は出たり消えたりを繰り返します。診察の時に消えている可能性もあるので、写真を撮っておくと医師への説明に役立ちます。

原因

じんましんができる原因は食品だけではありません。体調不良や気温の変化、ストレスなどが原因になることもあります。そのため、血液検査をすれば原因が分かるという訳ではありません。

治療

じんましんは、塗り薬よりも内服薬が効果的です。

おうちでのポイント

ぬれタオルや保冷剤で冷やしてあげるとかゆみが治まりやすいです。逆に体が温まるとかゆみが増すので、熱いお風呂に浸ったり運動したりして発汗することは避けましょう。

突発性発疹

発疹がでる病気ですが、園で集団発生することはほとんどなく、感染経路ははっきりとわかっていません。
突発性発疹

症状

高熱が3〜4日続き、解熱後に全身に発疹が出ます。かゆみや痛みはなく、多くは発熱と発疹のみで経過します。

治療

突発性発疹症に対する特効薬はありません。熱で機嫌が悪い、食欲がない、眠れないといった場合は、解熱剤を使い体力を回復させてあげましょう。

おうちでのポイント

熱が下がってからの方が機嫌が悪くなることもあります。熱が下がっても食欲や機嫌が戻るまでおうちでゆっくりすごしましょう。

集団生活で気をつけたいこと

解熱し発疹が出現して診断がつく頃にはウイルスの排出はなくなるため、登園のめやすは「解熱し機嫌が良く全身状態が良いこと」です。

水いぼ

水いぼとは、ポックスウイルスが直接皮ふに感染してできるいぼです。徐々に増えていきますが、半年から2年程度かけて自然に消失します。皮ふと皮ふが触れることでうつる可能性があります。
水いぼ

症状

ウイルスが原因の皮ふの感染症です。皮ふと皮ふがこすれやすい肘の内側や脇の下などに多くみられます。痛み・かゆみはないことがほとんどです。いぼを掻き壊すと、いぼの中に潜んでいるウイルスが他の部分について広がっていきます。

治療

治療をしなくても、抗体ができれば自然に治るので、なくなるまで経過観察することが多いです。抗体ができるまでには半年〜1年以上かかります。数が少ない場合、摘まんで取る処置をすることもありますが、「痛みを伴う処置であること」「2〜3週間ごとに数回繰り返さないといけないことが多いこと」以上の点を踏まえて医師と相談する必要があります。

おうちでのポイント

水いぼは掻き壊すことでどんどん広がります。また、とびひになってしまうこともあります。爪を短く切り、いぼを掻き壊さないように注意しましょう。かゆみがある場合は適切な塗り薬や服薬に関してかかりつけ医に相談すると良いでしょう。

集団生活で気をつけたいこと

水いぼという名前ですが、水でうつるということはないのでプールに入っても構いません。ただし、皮ふと皮ふが接触しないように、衣類(ラッシュガードなど)、耐水性絆創膏などで覆うようにしましょう。また、タオルやビート板を介してうつることがあるので、共有しないように気をつけてください(保育園や幼稚園の指示にしたがってください)。

とびひ

虫刺されやあせもを掻くと、そこから細菌が入り、水ぶくれやただれができます。さらに触ったり掻いたりすることで、まわりにも広がってしまう病気が「とびひ」です。

症状

健康な人の皮ふや鼻の中などによくいる菌が傷口に感染することで発症します。赤み、かゆみを伴う水疱ができ、それが破れてただれ、ただれたところを触った手で体のほかの部分を触ることで広がっていきます。
虫刺されや湿疹がジュクジュクしていると感じたら、早めにかかりつけ医に相談しましょう。

治療

水疱を見つけたら、他の場所に広がらないようにガーゼなどで覆い、小児科や皮ふ科を受診してください。抗生物質入りの外用薬や内服薬が処方されます。

おうちでのポイント

皮ふを清潔に保つため、石鹸をよく泡だててやさしく洗い、シャワーでしっかり洗い流しましょう。手洗いもしっかりしましょう。爪を短く切り、虫刺されなどを掻いて皮ふを傷つけないように注意しましょう。とびひの部位を触らないように、長袖長ズボンなどの着用がおすすめです。髪が患部にかかる場合は髪をまとめましょう。家族にうつらないよう、タオルや衣服は共用しないようにしましょう。鼻の中にできてしまうこともあるので、鼻に指を入れるのも注意です。

集団生活で気をつけたいこと

患部を外用薬で処置し、浸出液がしみ出ないようにガーゼ等で覆ってあれば、登園が可能です。プールの水を介しては感染しませんが、患部をかくことで悪化したり、他の人と触れたりすることがあるので、プールでの水遊びは治るまでやめておきましょう。

水ぼうそう

かゆみを伴う水疱(水ぶくれ)が全身にできる感染症です。何もしなくても空気でうつる可能性があります。
発疹が顔や頭皮、おなかなどに現れ、急激に増えます。発疹は紅斑から始まり、水疱となり、最後はかさぶたとなります。紅斑・水疱・かさぶたが混在しているのが特徴です。熱が出る場合もあります。

手足口病

夏に多い感染症です。風邪と同じようにうつる可能性があります。

症状

口内炎や手足に発疹ができます。肘や膝、おしりにもみられることがあります。

治療

手足口病に対する特効薬はありません。解熱鎮痛剤や症状を緩和させる薬を使いながら、体の免疫がウイルスに勝つまで待ちましょう。

おうちでのポイント

いつもどおりの食欲であれば特別なことをする必要はありませんが、口内炎の痛みにより食欲が落ちることがあります。熱いもの、辛いもの、酸っぱいものなど刺激のあるものは避け、薄味で喉ごしの良いもの(冷ましたうどんやおかゆ、ゼリーやヨーグルトなど)がオススメです。口の中の痛みが強い時は、解熱鎮痛剤を使って痛みをやわらげると良いでしょう。

集団生活で気をつけたいこと

登園のめやすは「発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること」です。見た目(発疹)は関係ありません。